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木村拓哉、ソロデビュー曲「One and Only」が示した“スターの下一步”――堂本光一、中島健人、髙橋海人と並ぶソロ第一作の意味

By SingArena Editorial · · Artist Update

木村拓哉、ソロデビュー曲「One and Only」が示した“スターの下一步”――堂本光一、中島健人、髙橋海人と並ぶソロ第一作の意味
厚生労働省 / Wikimedia Commons (CC BY 4.0)

2020年のアルバム『Go with the Flow』でソロ活動を本格化させた木村拓哉。その収録曲「One and Only」は、SMAP解散後の新たな章を象徴する一曲だ。堂本光一、中島健人、髙橋海人らのソロデビュー作と比較しながら、表現者としての木村の現在地を読み解く。

ソロデビュー作が映す“覚悟”

グループでキャリアを積み重ねてきたアーティストが、ソロ名義で最初に届ける作品には、その後の活動を左右するほどの強い意志が宿る。King & Princeの髙橋海人がKAITO名義で1stデジタルシングル『swim?』をリリースし、公開3日間で300万回再生を突破したことは記憶に新しい。堂本光一が2006年7月に両A面シングル『Deep in your heart / +MILLION but -LOVE』でソロデビューを飾ったときも、中島健人が2024年12月発売のアルバム『N / bias』で新たな一歩を踏み出したときも、それぞれの「最初の作品」に強い決意がにじんでいた。

そして、木村拓哉もまた、ソロアーティストとして大きな一歩を刻んだ一人だ。2020年1月、SMAPという国民的グループの活動に区切りがついた後、彼はアルバム『Go with the Flow』をリリース。その中に収められた「One and Only」は、単なる一曲以上の意味を持つ。

「One and Only」が生まれた背景

「One and Only」の作詞を手がけたのは、B'zの稲葉浩志だ。木村自身がラジオで明かしたところによれば、「ダメもとで稲葉さんとかどうかな?」と提案したという。その言葉通り、実現したコラボレーションは多くのリスナーに驚きを与えた。楽曲のMVでは、架空のライブ会場を舞台に、編集なしのワンカット撮影に挑戦。実際のライブ会場に足を運べない人々にも、その空気感を届けたいという温かい配慮が感じられる。

歌詞には〈僕は独りじゃない きっとそうだ〉〈そしてまた Here I go〉というフレーズが登場する。SMAP解散という大きな転機を経て、ソロとして新たな流れを作り出そうとする木村の姿と重なる。孤高にも見えるスターが、仲間やファンとのつながりを歌う。そのギャップが、聴く者の背中をそっと押す。

堂本光一と中島健人――ソロ第一作の多様性

木村と同様に、グループでの活動を経てソロに踏み出したアーティストたちの第一作を振り返ると、それぞれのアプローチの違いが浮かび上がる。

  • 堂本光一「Deep in your heart」:2006年7月リリース。堂本が主人公の青年期を演じたアニメ『獣王星』の主題歌でもあり、声優初挑戦と自作曲でのソロデビューが重なった。相手の心の奥に触れたいという欲求を描いた歌詞と、作り込まれたサウンド、そしてパフォーマンスが一体となり、ショーとして成立している。
  • 中島健人「ピカレスク」:2024年10月に先行配信され、アルバム『N / bias』のリード曲として12月に発売。Sexy Zone卒業後、GEMNやHITOGOTO名義での活動を経て届けられた。自らの言葉で綴ったダークな世界観が話題を呼び、〈これは アクマでも序章〉というフレーズに象徴されるように、新たな自分を提示した。

堂本は「見せる側であり、作る側」としての表現を追求し、中島は「自分の本当の気持ち、自分の奥底にある真実」を伝えようとした。木村の場合、そこに「スターとしての風格」と「誰かと進む力」が加わる。三者三様だが、共通するのは、グループで培ったものを糧にしながら、ソロとしての新たな顔を差し出している点だ。

SMAP解散後の歩みと『Go with the Flow』

木村は2016年12月31日のSMAP解散後、ソロタレントとして活動を続けてきた。2019年9月29日、自身のラジオ番組でソロでの歌手活動を開始すると発表。2020年1月8日には、SMAP時代から所属していたビクターエンタテインメントからアルバム『Go with the Flow』をリリースした。このアルバムは、彼にとって初のソロアルバムであり、俳優としてだけでなく音楽面でも新たな章を開くものとなった。

さらに2022年11月6日には、「ぎふ信長まつり」の「信長公騎馬武者行列」に信長公に扮して参加し、当日の人出は約46万人と前回比8割増を記録するなど、その影響力は衰えていない。2026年5月3日には、ラジオ番組でビクターからエイベックス・ミュージック・クリエイティヴ内に設立されたプライベートレーベル「C&C STAGE」への移籍を発表。ファンクラブ「C&C」の名称に由来し、自身を「Captain」、ファンを「Crew」と呼ぶ関係性をレーベル名に反映させた。あわせて新規楽曲の制作も進行中で、「海外も含め、より多くの方とつながっていけたら嬉しいです」とコメントしている。

“スター”が動くと舞台裏までエンタメになる

木村のソロ活動は、単なる音楽リリースにとどまらない。彼が動くと、その舞台裏にまでスポットライトが当たる。稲葉浩志とのコラボレーションが実現した経緯、ワンカット撮影への挑戦、そして新レーベル設立の背景。そのすべてがエンターテインメントとして成立する。これは、長年第一線で活躍してきたスターだからこそ成せることだ。

「One and Only」のMVを観ると、楽屋からスタートする場面に象徴されるように、木村はどこにいても、何をしてもスーパースターであり続ける。時代が移ろい、さまざまな期待が向けられる中でも、ステージに立つ姿には揺るぎない風格が滲む。そして、〈僕は独りじゃない きっとそうだ〉と歌う言葉には、ファンやスタッフとのつながりを大切にする彼の姿勢が表れている。

新レーベルで描く未来

2026年、木村は新たなレーベル「C&C STAGE」から新曲を届ける準備を進めている。SMAP時代から35年間所属したビクターを離れ、自らが「Captain」として率いる船出だ。ファンクラブ名と同じ「C&C」を冠したレーベルは、ファンとの絆をより強く意識したものと言える。

ソロデビュー作「One and Only」から約6年。その間、木村は俳優としても精力的に活動し、2022年の信長公騎馬武者行列のような話題も提供してきた。新レーベルからの第一作は、彼の新たな表現者としての顔を見せてくれるだろう。髙橋海人が『swim?』で見せたような自由な感性、中島健人が「ピカレスク」で示したダークな世界観、堂本光一が「Deep in your heart」で築いたショー的な奥行き。それらを踏まえ、木村がどのような「今」を切り取るのか。多くのファンが期待を寄せている。

ソロデビュー作には、そのアーティストの歩みと、これから何を表現したいのかという意志が息づく。木村拓哉の「One and Only」は、まさに彼の新たな始まりを告げる一曲だった。そして、その物語はまだ続いている。

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