田村直美「ゆずれない願い」が令和版『魔法騎士レイアース』第1話挿入歌に——30年の時を経て初のデジタル配信も解禁
By SingArena Editorial · · Music News
1994年の平成版アニメ主題歌として120万枚超のミリオンセラーを記録した田村直美「ゆずれない願い」が、令和版『魔法騎士レイアース』第1話の挿入歌に起用。約30年を経て初のデジタル配信もスタートした。
1994年に放送されたTVアニメ『魔法騎士レイアース』のオープニング主題歌として、時代を超えて愛され続けてきた田村直美の「ゆずれない願い」。その楽曲が、2024年に始動した令和版『魔法騎士レイアース』の第1話挿入歌として起用されたことが発表された。あわせて、リリースから約30年の時を経て、ついに本楽曲のデジタル配信が解禁されている。
平成の名曲が令和の物語の幕開けを彩る
令和版『魔法騎士レイアース』は、CLAMPの代表作のひとつである同名マンガを原作とした新作アニメ。社会見学で東京タワーを訪れた獅堂光・龍咲海・鳳凰寺風の3人が、突如として異世界「セフィーロ」に招喚され、囚われの姫・エメロードと危機に瀕した世界を救うため、伝説の「魔法騎士(マジックナイト)」を目指していく物語だ。
その第1話の挿入歌として流れたのが、平成版の主題歌である「ゆずれない願い」だった。新たなキャストやスタッフで紡がれる令和の物語に、1994年当時のオリジナル音源が重なる。発表によれば、配信で解禁されたのは1994年当時のオリジナル音源と思われるという。
120万枚超のミリオンセラー、そして紅白へ
「ゆずれない願い」の存在感は、数字が物語っている。1994年にリリースされると、ミリオンセラーを達成。120万枚を超える売り上げを記録し、1995年の『NHK紅白歌合戦』にも選出された。作詞は田村直美自身、作曲は田村直美と石川寛門が手がけている。
田村は1963年生まれ、愛知県名古屋市出身のシンガーソングライター。高校卒業後にバンド「PEARL」として1987年にメジャーデビューし、1991年からソロ・プロジェクトを始動させた。1994年には芸名をSHO-TAから本名の田村直美に変更し、本格的なソロ活動を展開。同年7月に「永遠の一秒」をヒットさせ、続く「ゆずれない願い」で一気にその名を広く知られることになった。
つまり今作は、田村にとってソロとしての飛躍を決定づけた一曲であり、同時にアニソン史に残る代表曲のひとつでもある。30年という時間を経てなお、新作アニメの第1話に起用されること自体が、その楽曲の強度を証明している。
田村直美のコメント「止まらない未来を目指し次なる旅へ」
今回の起用にあたり、田村直美からコメントが寄せられている。
「1994年版TVアニメ『魔法騎士レイアース』オープニング曲“ゆずれない願い”を歌わせていただきました。大きなプロット・ツイストのあった94年版。令和に新たな戦いが始まるのですね。新しい扉が開く、令和の『魔法騎士レイアース』第1話に挿入歌として、“ゆずれない願い”を聞いていただけることになり、とても光栄です。止まらない未来を目指し次なる旅へ!!みなさんの背中を押せたら嬉しいです」
当時の作品をともに歩んだ歌手だからこその言葉には、平成版から令和版へと受け継がれるバトンのような響きがある。過去を懐かしむだけでなく、前へ進む力として楽曲を届けたいという思いがにじむ。
PEARL、ソロ、そして後進の指導まで——田村直美の歩み
田村のキャリアは、「ゆずれない願い」のヒットだけにとどまらない。1997年にはPEARLが復活し、カーマイン・アピス(ドラムス)、トニー・フランクリン(ベース)、北島健二(ギター)という強力な布陣でアルバムとマキシシングルをリリースし、ツアーを行った。2000年にPEARLの活動を停止した後はゼティマ(現アップフロントワークス)に移籍している。
2007年にはPEARLから数えてメジャーデビュー20周年を迎え、ベスト盤CDとDVD『tamuranaomi AKA sho-ta sho-ta AKA tamuranaomi』をリリース。同日には名古屋E.L.L.で『LIVE A GO GO! 008』と題したライブを開催し、12月にはPEARLでのベスト盤とShibuya O-Eastでのライブも行った。
2015年にはソロ25周年記念ライブを機に、キーボード・土橋安騎夫、ベース・石川俊介、ドラム・長谷川浩二、ギター・野村義男と“Sho-ta with Tenpack riverside rock'n roll band”を結成し、同年2月28日に1stアルバムをリリース。2017年にはメジャーデビュー30周年を迎え、1月22日に東京・下北沢GARDENで『田村直美30th Happy Anniversary!! Thanks Friends 〜Santih Santih Santih〜』を開催した。同年9月20日にはライブDVD『30th Happy Anniversary〜すべての人へSantih Santih Santih〜』をリリースし、9月22日には自身初となるLINE LIVEでの生配信も行っている。
歌手活動の傍ら、ボイストレーナーとして後進の指導も手がけており、小林ゆうなどが田村の指導を受けたことでも知られる。またヨガ講師の資格を所持し、2021年4月からはNHK文化センター名古屋教室でオンラインヨガ講座を開いている。ステージに立つ側と、次世代を育てる側——両方の視点を持つアーティストとしての姿がここにある。
30年越しのデジタル解禁が意味するもの
今回の発表で見逃せないのは、楽曲そのものが初のデジタル配信を迎えた点だ。「ゆずれない願い」にはこれまでさまざまなバージョンやカバーが存在してきたが、1994年当時のオリジナル音源がストリーミングやダウンロードで聴けるようになった意味は大きい。
CDやテレビ放送が主な接点だった時代のヒット曲が、いま新作アニメと同時に配信される。令和版『魔法騎士レイアース』をきっかけに楽曲を知った新しい世代と、当時リアルタイムで聴いていた世代が、同じ音源に同じタイミングでアクセスできる環境が整ったことになる。名曲が「いつでも聴ける」状態になったことは、作品ファンにとっても音楽ファンにとっても朗報だ。
受け継がれる「ゆずれない願い」
監督・三浦唯、シリーズ構成・村越繁、音楽・梶浦由記らによる令和版は、テレビ朝日系全国ネット“IMAnimation W”枠にて連続2クールで放送中。オープニングテーマは十明「乙女の剣」、エンディングテーマはKawaguchi Yurina「星灯」が担当している。
新たな主題歌を携えた新作の第1話に、かつての主題歌が挿入歌として鳴る。これは単なる懐かしさの演出ではなく、原作が持つ物語の連続性を音で示す試みだろう。1994年版で「大きなプロット・ツイスト」を経験した田村自身が、令和の新たな戦いの始まりを祝福するかのように、あの声が物語の扉を開ける。30年を越えて受け継がれた一曲が、ここからまた新しいリスナーへと手渡されていく。
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