「Blue Carp Streamer」連想騒動:意図せぬ追悼イメージ
6月23日、常田大希率いる音楽プロジェクトMILLENNIUM PARADEが、7月8日に配信リリース予定の新曲「Blue」のジャケットアートワークを差し替えた。理由は、青い鯉のぼりが炎に包まれたデザインが、東日本大震災の犠牲者を追悼する「青い鯉のぼりプロジェクト」を想起させるという批判が相次いだためだ。
デザイナーのMori Koda氏は長文の謝罪文を公表。「正直なところ、勉強不足で恥ずかしい限りなのですが、私自身『青い鯉のぼりプロジェクト』や青い鯉のぼりに託された追悼の気持ちを知りませんでした」と述べ、意図せず傷つける結果となったことを認めた。同氏は「追悼のイメージとして制作した」と説明するが、結果として遺族や関係者の心情を考慮しきれなかった点が浮き彫りとなった。
こうした炎上は、アーティストとビジュアルの責任を改めて問う契機となる。MILLENNIUM PARADEは常田のソロプロジェクト的な側面を持ち、King Gnuの音楽性とは一線を画す実験的アプローチで知られるが、影響力ゆえに社会的な感受性が求められる局面も増えている。
King Gnu「雨燦々」と雨ソングの系譜
一方、King Gnuの楽曲「雨燦々」は、TBS系ドラマ『オールドルーキー』(2022年)の主題歌として知られる。梅雨の時期にぴったりのこの曲は、雨を背景にしながらも力強いバンドサウンドが特徴的で、アーティストの表現力の幅を示している。
雨をテーマにしたJ-popは多く、Official髭男dism「ミドリの雨避け」、back number、SEKAI NO OWARIの楽曲も人気だ。髭男の「ミドリの雨避け」はコロナ禍で作られ、立ち飲み屋の情景を連想させるアコースティックな温かさが光る。King Gnuの「雨燦々」は、雨の日の湿った空気感と、再出発を誓う主人公の感情がリンクし、聴く者の心に響く。
J-popの韓国市場拡大と日本音楽の国際的受容
J-popのグローバルな広がりも顕著だ。韓国の音楽配信プラットフォーム「KT Genie Music」によると、2024年1月から6月までのJ-popのストリーミング再生回数は前年比で29.5%増加。2年前と比べると57.5%増と急上昇している。韓国全体のストリーミング再生数が減少傾向にある中、特定の外国音楽ジャンルへの需要がこれほど伸びるのは異例だ。
今年最も再生されたJ-popは米津玄師の「がらくた」(Iris Out)で、Official髭男dismの「Pretender」、優里の「ベテルギウス」、愛美(Ai Tomioka)の「グッバイバイ」、米津玄師「Lemon」が続く。専門家は、日本のアニメと連動した楽曲のストーリー性や感情豊かな歌詞、YouTubeやNetflixなどの動画プラットフォームがJ-pop普及の鍵と分析する。
King Gnuのようなバンドが持つ独自の音楽性は、こうした国際的な流れの中で、日本の音楽シーンの多様性を象徴する存在となっている。常田大希のMILLENNIUM PARADEにせよ、雨をテーマにした楽曲にせよ、J-popは常に社会的な文脈と共鳴しながら進化を続けている。